ビタミンMで二分脊柱症を防止する/ビタミンMが欠乏すると起こる症状
こんにちは、「ビタミンM辞典」管理人の坂本です。
■ビタミンMで二分脊柱症を防止する
ビタミンMは赤血球の形成や胎児の正常な発育に関係性のある栄養素です。ビタミンMが不足すると貧血を起こしたり、胎児の発育に問題が起こったりすることがいろいろな研究でわかっています。
このことから、ビタミンMは特に妊娠している女性に必須な栄養素であるとして、2000年から厚生労働省も妊産婦は前向きにビタミンMを摂るようにとの方針を打ち出しています。ビタミンMの不足によって発生の危険性が高くなると言われていることに二分脊柱症があります。二分脊柱症とは、先天的に椎弓が正中で融合不全を起こして脊柱が欠損している状態をさし、胎児の1万人に3〜5人に発症するといわれています。
ビタミンM不足で危険性が高まる二分脊柱症では、脊椎骨の先天的な形成不全により下半身不随や胎児期に脳が正常に形成されない無脳症ということが起こります。欧米型の食生活になりビタミンMを多く含む緑黄色野菜などの摂取が減り、日本でも二分脊柱症の発生率が上がっているということもあり、ビタミンMの1日に必須な摂取量が0.4mgに引き上げられました。
二分脊柱症などの先天的な異常の発生を防止する効能の期待されるビタミンMは妊娠してから前向きに摂り始めたのでは遅く、妊娠に可能性がある女性は常普段からビタミンMを多く摂取することを意識しておく必須があります。
■ビタミンMが欠乏すると起こる症状
ビタミンMが不足することを通して、おなかの中の胎児の奇形発生率が高くなると言うことは近頃よく知られていることですが、それ以外にもビタミンM不足によって引き起こされるトラブルがいろいろとあります。体内に摂り入れられたビタミンMは腸内細菌によって合成が行なわれるので、風邪を引いたり病気をしたりして抗生物質を飲むと腸内の細菌バランスが崩れ、ビタミンM不足の状態になる場合があります。
ビタミンMが欠乏することにより消化器系の粘膜のトラブルとして症状が発生し、口内炎や舌が赤くなる舌炎が起こります。それ以外にも胃や十二指腸の潰瘍を作ったり、下痢や食欲不振といった症状もビタミンMが欠乏することにより現れてきます。そして、ビタミンMは造血にかかわる働きもあるため、欠乏すると赤血球の生産が減り大球性貧血や白血球減少症などを起こするのです。
そして、妊娠やアルコールを飲むということでもビタミンMの欠乏が進むと言われています。更に、ビタミンMの欠乏によって起こる精神的、神経的な症状として、記憶障害、不眠症、不機嫌というものもあり、ビタミンMを摂取していてもうまく吸収することができない吸収障害によって症状が現れてきます。ビタミンMの欠乏により心筋梗塞の危険性が高まるということが近頃の研究によって明らかになってきているため、健康のためにビタミンMは前向きに摂るようにしたほうがよさそうです。